はじめに

30代ともなると、会社では責任ある仕事をまかされ、社会人として充実してくる時期ではないでしょうか。プライベートでは、結婚・出産をする人もいれば、仕事に打ち込む人、転職をしている人もいるかもしれません。

30代はライフスタイルの違いが大きくなってきます。そのため家計の状況にも、それぞれの個性があらわれてきます。自分で働いて稼いだお金を、どのように使うかは自由。

しかし、お金のことについては自分の価値観も大切ですが、周囲とかけ離れているのも心配だったりしますよね。周りの人はどのくらいの収入で、貯金はいくらしているものなのか、気になることも多いのではないでしょうか。

今回は、東京都内で暮らす、30代独身女性の一人暮らしの収入、貯蓄、生活費の平均についてみていきましょう。


東京都の女性の平均年収は約363万6000円

東京の平均賃金は、男女とも全国都道府県のなかで最も高い水準です(厚生労働省「2017年賃金構造基本統計調査」)。所得税や社会保険料などを差引く前の、額面賃金は、女性の全国平均は約24万6100円。東京都では約30万3000円、全国平均の約1.23倍です。

厚生労働省「2017年賃金構造基本統計調査」より

東京都で働く女性は、年収にして約363万6000円、年齢層は30代が多いことが分かります。月の手取り収入では、約25万円。この中から、貯蓄をしつつ生活費をやりくりしているので、決して楽というわけではない実態が浮かび上がってきます。

収入は、勤務先によって大きな違いがありますが、主な産業別にみると、どのような違いがあるでしょうか。

厚生労働省「2017年賃金構造基本統計調査」より

全体的な傾向として、建設業や製造業、医療・福祉関連の収入が高くなっていますが、企業規模によっても違いが小さくありません。30~34歳女性の賃金は、全国平均で、大企業:約26万2000円、中企業:約23万7500円、小企業:約21万7700円、となっています。大企業の賃金は、小企業に比べて4万円以上も多く、さらに住宅手当などが充実している企業が多いことを考えると、実質的な収入の差はさらに大きくなります。

仕事選び、会社選びは、仕事のやりがいはもちろんですが、収入の面も重要です。いったん就職したら、転職をするのは大変なことも多いので、総合的な待遇も含めて考えることが大切です。

30代独身で貯蓄ゼロは40.4%、貯蓄ありの平均額は約1002万円

では、30代の平均貯蓄額はいくらでしょうか。金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(単身世帯調査)」によれば、約589万円です。

ただし、これは貯金ゼロ~3000万円以上の金融資産を持っている人全ての平均値。平均値は、高額な金融資産を持っている人が少数でも入ると、実態とは異なる数値になることがあります。

30代独身の貯蓄平均額も同様です。貯蓄が500~700万円ある30代独身の割合は、全体の4.6%しかいないのです。

データを見てみると「金融資産非保有者」、つまり貯蓄ゼロの割合が40.4%もいることがわかります。そのため、平均値は約589万円ですが、実際に589万円の貯蓄を持っている人は少数派ということです。

では、貯蓄を持っている59.6%はどのような金融資産を持っているのでしょうか。

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(単身世帯調査)2017年」より

貯蓄のある59.6%に限ると、30代独身の平均は約1002万円。年収300~500万円で見てみると約1238万円です。金融資産の内訳は、預貯金が最も高い割合になっていますが、株式や投資信託、債券といった投資性の商品も預貯金についで高くなっています。金融資産を持っている人は、資産運用もしっかり行っていることがわかります。

貯蓄のない40.4%と、平均約1002万円の貯蓄がある59.6%。金融資産の保有状況は、二極化していると言えます。その違いは、収入の差だけにとどまらず、金融商品に関する知識や資産運用のスキルにもあるのではないでしょうか。

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