はじめに

家は大きな買い物。「どんな基準で選んでいいのか分からない」という人は少なくないでしょう。「人生100年時代」といわれる中で、一生自分で住むのではなく、住み替えを前提に資産性のある家を選ぶという考え方も浸透してきています。今買うべき家とは、一体どんな家なのでしょうか。

家選びのコツを、『独身こそ自宅マンションを買いなさい』『マンションは学区で選びなさい』の著者で、不動産情報サイト「住まいサーフィン」を運営するスタイルアクト代表取締役の沖有人さんに5回にわたって伺います。今回は「お買い得なマンションの選び方」です。


資産性の高いマンションの「5つの条件」

せっかく高い買い物をするのだから、いざというときに高値で売れる「損をしない」マンションを選びたい。

「そうした資産性の高いマンションを選ぶために、押さえておきたい『5つの条件』があります」と沖さん。それぞれ解説をしてもらいました。

(1)都心寄り
(2)駅から近い
(3)タワーマンション
(4)総戸数が多い
(5)70平米以上 

1つ目の条件と2つ目の条件は、連載の1回目でも説明しました。

「『駅近』の条件をさらに付け加えると、単身者向けなら徒歩4分、ファミリー向けなら徒歩8分までが目安」(沖さん)。

ただ、タワーマンションは人気がある反面、エレベーターがなかなか来ない、高いところが得意ではないなどの理由で敬遠する人も多いイメージがあります。

「低層で戸数の少ないマンションよりも、タワーマンションのほうが中古で売り出したときに『目立つ』。そのため、値下がりしにくいのです」(沖さん)。

また、戸数が多いマンションの場合、新築時の価格が低く抑えられることから、中古時に含み益が出やすいそう。70平米という面積の目安も、マンションを探している人の多くがファミリータイプを求めているから、というのがその理由。

結局、資産性の高いマンションとは、「誰もが欲しがる家の条件を満たしている」という点に尽きるのかもしれません。

でも、これらの条件を全て満たしていくと、予算が折り合わないということも。

たとえば、これらの条件を満たす、とある新築マンションは六本木駅から徒歩4分と都心・駅近。27階建てのタワーマンションですが、70平米弱で価格は1億2000万円を超えています。いくら値下がりしにくいからといっても、このような価格のマンションを買える人は少ないでしょう。

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