はじめに

ローンを返済しながら、蓄えを作るためにできること

共働きで子育てをしながら家事をするというような忙しい暮らし方をしていると、支出を最小限にすることは今で精一杯だと思われがちですが、落ち着いて振り返ると、まだ削減できる支出に気がつけると思います。

客観的に見て気になるのは、生命保険料、通信費、日用品代です。一般的なご家庭に比べると、支出が多いように見受けます。

生命保険料は、ご家族の状況から見ても、もう少し減らせそうに思います。生命保険は貯蓄が少ないご家庭ほど万が一の時の助けにつながるため、入っておいた方が良いものです。ですが、貯蓄が少ない状況では貯蓄性の保険に入ることはあまりお勧めしません。積み立てれば満期時にはいくらか増えているのかもしれませんが、満期の前にお金が必要になって解約してしまうと、元本割れをして損をしてしまうからです。そのような可能性がある状況では、貯蓄性の保険よりも、しっかりお金を貯めていくことを優先すべきです。ですから、貯蓄性の保険の入り方を見直し、その他の保険も現状必要な保障にしていくことで、保険料を下げることができるだろうと考えます。

通信費は、いわゆる格安スマホにすると支払額を下げられます。ただ、使い方によっては合わない場合があるので、自分の使い方を見ながら検討しましょう。最近は大手キャリアであっても使用料を下げてきていますので、全体的に比較検討し、料金は安くとも自分たちの使い方に合っている内容の契約に見直してみましょう。

生命保険、通信費は固定費ですから、一度見直しをして支出を削減できると、特に毎月苦労しなくても支出を下げたままの状況を継続できます。まずはじめに見直しをしてもらいたい支出項目といえます。

日用品はオムツ代などもあり仕方がない部分もあるでしょうが、買いだめをしすぎないなど、少し意識すると下げられるのではないかと思います。

まずは貯金目標226万円、貯め方は?

相談者様は今後を大きく心配されているように感じます。原因はお子さんの貯金を除くと、ご家庭の貯金が50万円しかないこと、毎月の貯金可能額が多くないことなどがあるのかと思います。このような状態で今すべきことは、生活費とは別に「貯めるための口座」を持ち、そこに6ヵ月分の生活費を貯めていくことです。

まず、いつもの生活費の口座に1.5ヵ月分の生活費が残るように、支出を削減した暮らし方をします。無理な削減は挫折のもとなので、出すべきところは出し、それ以外を削減するようなメリハリを必ず意識してください。そして、1.5ヵ月分が安定して残るようになったら、その1.5ヶ月分以上の部分を貯めるための口座に移していきます。それが226万円になれば、最低限の生活防衛資金ができたことになります。

生活防衛資金があるか、ないかにより、気持ちのゆとりは随分と異なるでしょう。できれば教育費やマイカーの費用などはこれと別に貯めて欲しいのですが、まずは欲張らずに、最低限の生活防衛資金ができることを目指してください。

一時的に貯蓄が減っている状況ですから貯まるまでは長いと思われるかもしれませんが、ボーナスなどもうまく活用しながら目指して欲しいと思います。そこを貯めることができたら、もっと貯めるとか、投資を始めてみるなど、進めていくことができるでしょう。住宅を所有することを諦めることなく、貯蓄と同時に進行していける状況になれると思います。がんばってください。

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