はじめに

ようやく夏休みが終わり、また学校生活が始まりましたね。休みの間、子どもと一緒にお金にまつわる経験や思い出はできましたか?

家族旅行があれば、予算について話すこともお金の管理についての学びになりますし、その中で予想外の出費なんてあれば、その対応こそ生きた教育ですね。色々な夏休みのカタチがあったことでしょう。

では、身近なところで、子どもの筆箱や道具箱などの中身はどうなっているでしょうか。宿題を終わらせるのに精一杯になり、手元の筆箱などの管理がおろそかになってはいませんか?

ここでは、文房具の管理を通して、お金の管理についても学んでもらうというお話をさせていただきます。


小学3年生になったら持ち物管理を任せる

小学生生活にも慣れてきて、色々な事に興味も持つようになるのが小学3年生頃。この頃から自己肯定感の芽生えも見られます。子どもが自分の存在を肯定できるように、親からもそっとサポートできたらいいと思います。

そのサポートの1つが、文房具などの管理を任せること。管理と言っても、中身の整理整頓だけでなく、足りないものは自分のおこづかいから買って補充するようにさせてみましょう。もちろん、文房具代の分を上乗せしたおこづかい金額を子どもに渡してください。

最初は上手にできないかもしれません。消しゴムばかり無くしてきた我が家の息子は、文房具の管理にはとかく手を焼きました。管理が苦手な子どももいますが、忍耐強く見守ってあげてください。

そうした見守りの体制が、子どもにとっては、自分の頑張りを見ていてくれることに気づき、やがて、信頼されていることに対して自信を持てるようになります。自信を持てるようになれば、自分を尊重する気持ちも芽生えますし、そうすると、他人にも思いやりを持てるようになれることでしょう。

学校が休みの間に持ち物を整理・確認する

文房具の管理は、基本、学校で使用する範囲を子どもが管理・補充するという考えが分かりやすいと思います。塾用やプライベートで使用する文房具はここには含みません(後述しています)。また、学校を通して購入するような文房具や道具は、その都度、親がお金を出して対応してください。

このほか、普段の管理以外に、学校の休みには、筆箱の中身を整理しましょう。できれば、学校で使っている道具箱についても管理ができるとベターです。

おこづかいに上乗せする金額は、筆箱の中身のみなら毎月100円が妥当だと思います。筆箱の中身がある程度揃っている状態からのスタートですから、おこづかいの上乗せ分は補充するための金額として検討してください。筆箱と道具箱まで管理できるようなら、絵の具や色鉛筆、半紙などの補充も必要になりますから、毎月100~300円をプラスして考えます。

文房具の管理をしていくと、ある月には文房具代で100円使うときもありますし、支出がない月もあります。使わない文房具代は、文房具用としてそのまま保管させてください。夏休みなどでまとまった文房具を購入するときに必要になります。

我が家のエピソードですが、長女が鉛筆代を節約しようとして、100均の鉛筆を買ったことがありました。10本も入っていてしかも100円(税抜)。これはお得だと本人は思ったようです。しかし、実際に使用してみると、鉛筆削りを使用した際の削り具合も木の部分がザラザラ。1本50円のほうが使いやすいと実感していました。

このような経験は、実際に買って使用してみないと気づかない事です。何でも安いものならいいという訳ではないという経験を、自らできたエピソードです。

親からしてみれば、文房具の管理は小さなことかもしれませんが、子どもにとっては持ち物を管理し、しかも、限りある予算の中でやりくりしなければ、意外とハードルが高いミッションなのです。

かわいい文房具もおこづかいでGet

小学生も中学年くらいにもなれば、普段使う文房具やノート、付箋にシールなど、プライベートで楽しみたいものも欲しくなることでしょう。このようなお楽しみの買い物も、おこづかいで買ってもいいと思います。ただし、先ほどお話した文房具代から支出するのではなく、あくまでも自分のおこづかいからです。

欲しいと思った文房具は、1か所のお店だけではなく、複数のお店をリサーチすることで、同じ商品でも価格が違うことを知ることができます。また、なぜ他のお店よりも安いのかという理由もここで学びます。たとえば、お店の会員になると10%オフになるなど、何か条件をクリアしなければ、その恩恵は得られないということも知ることができるのです。

価格が安くなるには理由があることや、お店によって販売する価格が違うということも、子ども自身が経験することで学ぶことができるのです。私たち親にとっては、当たり前のことなのですが、子どもにとっては、初めてのことだらけです。失敗してしまうこともあるでしょうが、その失敗も将来教訓として活かせると考えています。

小学校の入学式を思い出せば、まだまだ幼いと思っていた子どもも、日々成長しています。小学校高学年を迎えると、体の発達や、学習面などで個人差がでてくるのもこの頃でしょう。

このように、大きく成長する小学生の時期に、お金の面でも学べる機会を与えることで、その子らしい考え方や行動を尊重し、見守ってあげられるのではないでしょうか。

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