はじめに

仕事を早期にリタイアして、第2の人生は自分の好きなことだけをーー。誰もが一度は夢見るライフプランです。とはいえ人生100年時代、老後の生活資金の重要性はさらに増しています。

早期リタイアは叶わぬ夢のようにも感じられますが、実現している人もいます。家計簿アプリ「マネーフォワード ME」ユーザーのなおさん(60)は4年前に早期退職を実現させました。

「1年かけてしっかり準備しました」と話すなおさん。具体的にどのような準備を行ったのでしょうか。

老後資金をためるには

ーーお話を伺っていると、1年かけて綿密な準備をされたのもありますが、退職時点で金融資産が3000万円あるというのは、やはりお若い頃から老後に向けての準備をしっかりされてきたんだなと感じます。どのようにしたらそれだけのお金を貯められるんでしょうか?

なお:僕が退職時に金融資産が3000万円近くあったのは、投資もありますけど、多くは貯蓄によるものです。僕がいた会社は財形貯蓄があったんです。

僕は入社後、最初工場に配属されました。その時にその工場の先輩が「財形貯蓄はこれくらいの額でするもんだ」って教えてくれたんです。だいぶ上の先輩だから給料もぜんぜん違うのに、先輩が言うだけの額を紙に書いて会社に提出しちゃったんですね。そうしたら最初のボーナスをもらう時、総務部から連絡が来て「希望の財形貯蓄分をボーナスから天引きするとマイナスになるからお金振り込んでくれ」って(笑)。

マイナスになるのはさすがにいけませんが、自分の懐に入る前にあらかじめ貯めておくのは大事です。若いうちは手元にあると使っちゃいますから。あとは支出を正確に把握すること。自分が何にどれだけ使っているのかわからなければ貯められるものも貯められないし、将来の計画は立てられません。もしマネーフォワード MEが若い頃にあればさらに貯金が貯まっていたかもしれません。

老後2000万円問題が話題になりましたが、人によって生活に必要な額は違うと思います。自分の今の生活収支をしっかり把握し、必要な額に向けて準備をしていくのがよいのではないでしょうか。

マネーフォワードME