ジメジメした天気は株価にも影響?湿度と不快指数で秋の株式相場を予測する
秋雨前線に台風…秋晴れにはまだ遠く
秋の長雨の季節になりました。夏の猛暑を引き起こした太平洋高気圧の勢力が弱まる一方、大陸にある冷たい高気圧の勢力が強まって、2つの勢力の境目にできた秋雨前線が日本列島に停滞します。これが秋雨の原因になります。前線が弱まる10月半ばの“秋晴れ“の頃までは、台風の上陸の時期とも重なり”ぐずついた天気“になりがちです。そんな天候と株式市場の間には深い関係があることは、以前から、この連載でも取り上げてきました。「梅雨入りが早いと株式市場は上がる?下がる?統計から見えた意外な結果”」では、梅雨入りが早い年の6月相場は株価が安くなる傾向にあることを紹介しました。梅雨入りが早ければそれだけ、6月は雨模様の天気の日が増えます。 “雨の日には株価が下がりやすい”という統計結果が出ているのです。このような天気と株価の関係は行動経済学という学問で裏付けられています。行動経済学を平たく言うと、人間の行動はその時の気分に左右されるため、株式を買ったりする投資も気分の影響を受けてしまうということです。雨の日には投資家が憂鬱な気分になり株式市場で悲観的な見方が強まるため、株安につながりやすいということです。今回は雨と
内閣支持率は低迷、衆院選にむけて株価はどうなる?過去13回の解散総選挙時の株価推移を調べてみた
衆院選に関係する株価のジンクス
菅義偉首相が9月前半にも衆議院の解散に踏み切るのではとの見方が強まっています。一方でNHKが8月10日に発表した世論調査によると内閣支持率は29%で、菅内閣発足以来最低を更新しています。今回は、衆院選に関係する株価のジンクス(法則)から株式相場の行方を探ってみました。
企業のライフサイクルから“伸びる企業”を見つける方法
創業期と成長期の企業を見つけることが大切なワケ
「人生100年時代」を迎えて、私たちはリタイア後に充実した人生を送っていけるかが大きなテーマとなっています。その解決策に“人間とは誕生から死まで生涯をかけて発達する存在である”という生涯発達に関する理論が注目されています。平たく言えば、ヒトが衰えてゆくことに価値を見つけて衰退もむしろ発達ととらえようという考え方です。代表的な理論に米国の発達心理学者として知られるエリクソンが唱えるライフサイクル論があります。人間の生涯を乳児期、幼児前期、遊戯期、学童期、青年期、初期成人期、壮年期、老年期の8つの段階に分類して、それぞれのステージでヒトはどのような特徴を持って、どのような課題に向けた行動をしていけば、次のステージに向けて有意義で幸福な生活ができるというものです。少々、前置きが長くなってしまいました。今回、取り上げたいのはヒトではなく会社のライフサイクルについてです。ヒトと同じように企業の評価をする上でライフサイクルは重要です。株式投資先の銘柄選別に企業のライフサイクル(誕生から衰退までの過程)をどのように活用したらよいのか、検証してみました。
過去16回の五輪メダル数で検証、金メダル数と株価の強い関係
東京五輪開幕目前
7月23日の五輪開会式まで間近となりました。一時、今回の五輪では日本代表に“金メダル30個”が目標と言われるほど期待がかけられていました。コロナ禍が未だ収束されず五輪開催の賛否も議論される環境で、精神的な負担も大きい選手の方々に行き過ぎた期待は禁物でしょう。とはいえ、地元で行う五輪です。メダルへの期待はどうしても高まってしまいます。この日本代表の金メダル数、実は五輪期間の我が国の株価との間に意外な強い関係があるのです。今回は金メダル数と株価の関係を紹介しましょう。まずは結果を見てみます。
過去の夏季五輪期間中に開催国の株価はどのように推移していたのか
開催期間中と開催前1か月間の株価をチェック
今年の東京五輪開催には依然として様々な議論がありますが、開会式が予定される7月23日まで1か月余りです。閉会式となる8月8日までのおよそ2週間が、今のところ五輪開催期間とされています。そこで今回、これまでの夏季五輪期間で開催国の株価がどのような推移となったか確認してみました。<写真:つのだよしお/アフロ>
梅雨入りが早いと株式市場は上がる?下がる?統計から見えた意外な結果
6月と7月では傾向が異なる
5月16日に近畿地方、東海地方が梅雨入りの発表がありました。近畿地方は統計史上最も早い梅雨入り、東海も史上2番目に早い梅雨入りです。梅雨入りの順番は、西日本から東に向かっていくので、次は関東甲信地方の番です。ところで“梅雨と株式市場に深い関係がある”というと意外と思われるかもしれません。しかし以前、この連載で「梅雨の雨量と株価の間に存在した“かなり繊細な関係”」を取り上げました。詳しくはその記事を読んでもらいたいのですが、“梅雨の時期でも、降水量が少ないと株価が高い”ことを紹介しています。実は、雨の日に株価が下がりやすいという関係は行動経済学という学問で裏付けられています。行動経済学を平たく言うと、人間の行動はその時の気分に左右されるため、株式を買ったりする投資も気分の影響を受けてしまうということです。雨の日には投資家が憂鬱な気分になりがちで、株式市場で悲観的な見方が強まります。ですから梅雨の時期に雨量が多ければ株安につながりやすいということです。では今回はもう1つの梅雨と株価の関係を取り上げてみます。梅雨入りの早さは株価とどのような関係があるのか、というお話です。まずは、分析結果から
今後は「逆張り投資」?それとも「モメンタム投資」?
業績予想の修正が示唆する方向は
株価が大きく下げた会社の株を買う投資方法を「逆張り(ぎゃくばり)投資」と言います。例えば、日経平均株価に採用される225銘柄のように、日々の出来高がある程度は確保されているような銘柄のうち、前の週に下落が大きかった銘柄に投資するといったやり方です。前の週という短期間ではなく、もっと長い期間をみて年間下落率ランキングの大きい銘柄に注目するといったやり方もあります。とても単純な戦略ですが、伝統的に効果的な戦略として良く知られるものです。しかし近年は、これとは真逆の戦略となる「モメンタム投資」の効果が高くなったと言われます。モメンタム投資とは、これまで株価が上昇してきた銘柄に投資するという方法です。今回はこの「逆張り投資」と「モメンタム投資」、今後はどちらが良いのかの予測を紹介しましょう。
バリュー株 vsグロース株、金利の動きで注目する投資先が変わるワケを徹底解説
コロナ禍から1年、物色は変わるのか
株式市場と金利との間には深いつながりがあります。3月3日の連載「『金利が上がると株価が下がる』はなぜ?イールドスプレッドで株価の危険水準を見極めよう」では、“金利が上がると株価が下がる“のは何故かを取り上げました。詳細はぜひ3月3日の記事を読んでいただきたいのですが、内容を短くまとめると、金利が上がるなら安全性が高い債券投資で利回りが確定できた方が良いと考える人が増えるからです。そして、金利との魅力度の関係を見るイールドスプレッドは、足元となる4月6日の日経平均株価の29,696円で計算すると4.24%であり警戒水準の4%以下にはなっていません。株式投資の魅力は引き続き高いことが分かります。今回も金利と深い関係がある株式市場についてですが、“投資先選別、つまり物色”についてのお話をしましょう。これからの投資先には“成長株投資が良いか、割安株投資が良いか”ということです。
“黄砂”は株式相場の“視界”にも影響?観測日の株価を調べてみた
3~5月は黄砂シーズン
黄砂の季節がやってきました。3月15日には中国で大規模な黄砂が発生し、中国中央気象台は、“ここ10年で最も強烈で範囲も広い黄砂”と発表しました。早速、航空便が欠航するなど、北京では交通機関への影響も見られました。黄砂とは、中国の砂漠などで強い風で巻き上げられた砂が、偏西風にのって飛んでくるものです。今回は中国内陸部にあるゴビ砂漠で強風が吹いたため、大量の砂が巻き上がったことが原因のようです。黄砂は日本まで飛来し、洗濯物が汚れたり、視界が悪くなるなど、私たちの身近な生活にも影響を及ぼします。そして、意外に思うかもしれませんが、我が国の“株価”の行方も左右するようです。今回は黄砂と株価との関係を紹介します。
「金利が上がると株価が下がる」はなぜ?イールドスプレッドで株価の危険水準を見極めよう
金利と株式それぞれの魅力を比較する尺度
2月の最終日、26日の日経平均株価は1,202円の大幅下落となり、今月5日以来の2万9,000円を下回りました。下落の主因は米国の金利高です。米10年債利回りが一時1.61%と、昨年2月以来の水準まで上昇しました。これまでの株高を支えてきた背景には超低金利があります。足元の金利が高まったことで株高要因が崩れ始めたとの懸念が強まり、株安を引き起こしました。その翌営業日となる3月1日の日経平均株価は697円高と反発しました。これは一旦高まった米国10年債利回りが1.4%台前半に再び低下したためです。金利の上昇が一服し、投資家の不安心理が後退したことが理由です。しかし、株価はなぜこのように金利の動きに過敏反応するのでしょうか。その理由を探るため、今回は「イールドスプレッド」すなわち”利回り差“を取り上げます。
日経平均株価3万円超え、今後はどうなる?過去の大台乗せ後の相場を調べてみた
相場を明るくする“ブリ”の大漁
2月15日の日経平均株価は大幅に上昇。終値は3万84円と、バブル経済期の1990年8月以来、30年半“ブリ”に3万円を突破しました。8日に日経平均株価が約30年半“ブリ”に2万9,000円台回復と聞いてまだ数日の快挙です。最近、株式市場ではこの何年“ブリ”という言葉がよく聞かれます。昔、相場を良く知る著名なエコノミストから「ブリが多いことを “ブリの大漁”と言って、投資家の気持ちを明るくさせる」と聞きました。確かに足元、緊急事態宣言のなかで自粛活動が続き、景気が良い実感はありません。株価が実態経済を表さないとバブル警戒感を不安に見る専門家もいます。しかし、ここにきての“ブリの大漁”は、将来の日本経済の回復を先行した株高と、明るい見方も期待できます。しかし、問題はこの先です。株価が台替わりした後の相場はどうなるのでしょうか。今回の3万円大台突破のように、過去の大台替わり後の相場が果たしてどのようになったかを調べてみました。
“春一番”は株式市場にどんな風を吹かせるのか
行動経済学で説明できる“2つの傾向“
2月3日の立春を過ぎると、暖かい日も少しづつ増えて来ます。まだ北風で寒い日もありますが、関東地方では近日中に“春一番”が吹くとの天気予報も聞かれています。毎年、春一番が吹くと、本格的な春の訪れが感じられるようになります。気候と株価の間に強い結びつきがあることはご存じでしょうか。近年、注目されている「行動経済学」がそのゆえんです。2017年にシカゴ大学の行動経済学の権威、リチャード・セイラー教授がノーベル経済学賞を受賞したことで、さらに大きな注目を浴びています。平たく言うと、人間の行動はその時の気分に左右されます。ですので、株式を買ったりする投資も気分の影響を受けてしまうということです。以前の連載「梅雨の雨量と株価の間に存在した“かなり繊細な関係”」で紹介しましたが、「晴れの日の株価は高く、曇りの日の株価は安い」という実証結果が日本ファイナンス学会で発表されました。“天気が良い時は、人々の気持ちが前向きになるため、楽天的な姿勢で投資しがちになり、買い先行になる”ことが理由とされています。では、“春一番”と株価の関係にはどのようなものがあるのでしょうか。
AIで株式市場の“感情”を分析、結果が示す相場の未来予測は?
3つの分析から読み取れること
1月8日の日経平均株価の終値は2万8,139円となり、30年5ヶ月振りの高値となりました。2021年の株式相場も出だしは好調です。一方、足元の景気はコロナ禍で厳しい状況です。7日には東京、千葉、埼玉、神奈川を対象とした緊急事態宣言が出され、14日には対象地域が11の都府県に拡大されました。経済活動の停滞は長引く可能性もあります。こうした実態経済や社会環境を考えると、“足元の株価は買われすぎじゃないか”と見る投資家も少なくはありません。しかし、今後の新型コロナワクチン接種の本格化もあり「コロナ禍の終息→将来の景気回復の期待」から、投資家が株式投資に“前向きな姿勢”であることが足元の株高を支えています。とはいえ、こうした“前向き姿勢”は“冷静な判断”に基づいているのでしょうか。人間なら誰しも、嫌なことがあってもカラ元気を振舞ったり、ポジティブなことだけを考えようと見ない振りをすることもあります。でも、人にもよりますが、そんな状況って長続きしないですよね。“冷静”に状況を判断するのは、人間にはなかなか難しいかもしれません。こういった分野では機械やAI(人工知能)が大いに活躍できます。そこで今
新年の株価は上がる?下がる?株の“ジンクス”から2021年相場を予測
景気と株価モメンタム
株の“ジンクス”のことを業界では“アノマリー“と呼びますが、今回はアノマリーから新年の相場の行方を探ってみましょう。2020年は新型コロナの感染拡大に社会も経済も大きく影響を受けました。とは言え、日経平均株価は12月9日に2万6,817円となり29年8カ月ぶりに1991年4月以来の高値を更新、歴史的な株価水準までの回復を見せており好調でした。株価は将来の景気回復を織り込んで動きますが、足元では先取りした上昇が早すぎると懸念する投資家も見られます。新年の株価も上昇トレンドが持続できるのでしょうか。
足元の株価水準は妥当なのか、日本企業の魅力度から考える
ROE(株主資本利益率)とPBR(株価純資産倍率)
12月9日の日経平均株価は2万6,817円となり、29年8カ月ぶりに1991年4月以来の高値を更新しました。米大統領選挙後に懸念された混乱も回避できそうという楽観的な見方が底流にあるなか11月の日経平均株価は月間で3,456円と30年振り大幅上昇しました。そして12月に入っても8日に英国で新型コロナワクチン接種が始まったことを受けて、世界的なワクチンの普及、そして経済活動が正常モードに向かうとの期待から株価は基本、堅調に推移しています。経済や株式市場を取り巻く環境が改善するなら、株価もそれを反映して上昇することに違和感を持つ方は少ないでしょう。とはいえ、昭和から平成にかけたバブル経済の終わりが1991年2月で、当時の水準が日経平均株価2万5,000円台でした。その時期に接近しつつある株価水準には、行き過ぎ感を持つ方もいるのではないでしょうか。なにしろコロナ禍でダメージを受けた足元の景気回復に実感が持てない上、新型コロナの感染者数も高水準のままで、今後も予断を許さない状況です。そこで今回、代表的な企業評価の尺度から見て足元の株価水準の妥当性を検討してみました。
GoTo見直しで日本経済は?国内旅行者数と株価の関係を調べてみた
データを使うには工夫が必要
新型コロナの感染者が増加するなか、11月21日に菅首相がGoTo キャンペーンの見直しを表明しました。これを受けて一時的ですが、札幌や大阪ではGoToトラベルから外れることが決まりました。今後も新型コロナの感染拡大が続けば、GoToトラベルから除外される地域が増えるかもしれません。コロナ禍の影響で我が国の景気は厳しい状況にあります。しかし足元の政府発表からは “持ち直しの動き”が見られるようです。内閣府が発表する景気ウォッチャー調査は地域別の景気が捉えられるものです。そのなかで、GoToトラベルが地域経済の活性に貢献していることが述べられています。また景気の鏡と言われる株価ですが、日経平均株価が11月17日に29年5ヶ月振りに2万6,000円台を回復するなど堅調に上昇してきました。このように、景気は持ち直しを見せていますが、GoTo キャンペーンの見直しは、それに水を差すかもしれないと懸念されています。そこでこのGoToトラベルで回復を見せる国内旅行と株価がどの程度の関係があるかを実際に確認してみましょう。
「ディスクロージャ―優良企業」の株価は上がる?3年後の株価まで調べてわかった面白い結果
会社経営の自信を表す尺度
少し前になりますが、10月に「ディスクロージャー優良企業」が日本証券アナリスト協会より発表されました。10月15日付の日本経済新聞に発表記事が掲載されていたので、目にした方もいるのではないでしょうか。“ディスクロージャー”は情報開示という意味です。「投資家に対して、経営実態や活動状況の開示が充実している」と企業分析の専門家である証券アナリストが選んだ企業になります。今年の“優良企業”には東証1部企業からは18社が選ばれました。情報開示が優れた企業に関しては、これまで学術的な研究分野では株価は上がるという報告が見られてきました。そこで今回は、証券アナリストが選んだ「ディスクロージャ―優良企業」が投資の銘柄を選ぶ基準として使えるのか、検証してみました。
「米大統領選後は株高」相場のジンクスは今年もあてはまるのか
勝利政党によって差はあるのか
11月3日は我が国の景気や株価の行方まで大きく左右する米国の大統領選挙が行われます。再選を目指す共和党のトランプ大統領ですが、事前の世論調査では新型コロナの感染拡大やそれに伴う景気後退、そして黒人男性の死亡事件に起因する混乱から支持率を下げています。民主党の候補である前副大統領のバイデン氏が優勢と見られていますが、“隠れトランプ支持者”も多いと言われ、世論調査そのままの結果から大統領選の予測は難しいとされています。既にマスコミ各社は、大統領選の勝利予測や、その後の政策や景気への影響はどうなるか様々な予想をとりあげています。増税を計画するバイデン氏が勝利すると株式市場にマイナスと見られており、現状では“トランプ株高・バイデン株安”が多くの投資家の見方になっています。そこで今回は、視点を変えて“株のジンクス”から大統領選と株価との関係を紹介します。ちなみに株のジンクスのことを業界では“アノマリー“と呼んでいます。