「ボーナスの増減」から占う、2020年前半の日本株相場の先行き
世間の懐事情を投資に生かす
ボーナスシーズン到来です。最近は、ボーナスは年1回夏季だけとか、制度自体を取り入れていない会社もあったり、職制的に受け取れない方も少なくなかったりします。「ボーナスの話をされても他人事」と思うかもしれません。とはいえ、ボーナスの動向は景気を適切に反映します。景気動向を知って株式投資に結びつけるには、ボーナスがどのような水準なのか、増えたのか減ったのかを知っておく必要があります。
企業の「省エネ活動」が個人投資家の運用成績にも影響しうる理由
環境問題と株価:第4弾
世界的に環境破壊が大きな問題として注目される中、環境問題の解消に向けた取り組みを強める企業の株式に投資しようという機運がみられます。こうした企業に投資することで、その企業が行う環境対策事業を支援する、という趣旨があるからです。環境対策にはさまざまなものがあります。近年、最も注目されているのは、地球温暖化を抑えるために温室効果ガスの排出を削減することです。企業が排出するCO2(二酸化炭素)を減らすには、そもそも使用する燃料を減らすことがより本質的といえます。使用する燃料を減らせば、CO2が減るからです。使用燃料を減らすということは、実は企業の利益拡大にもつながります。燃料のコストを減らせるからです。つまり、使用する燃料を減らす努力をする企業は直接的な企業価値の面でも株価の好パフォーマンスが期待できます。そこで今回は、燃料などのエネルギー消費量を削減する努力をした企業について、その後の株式パフォーマンスを観察してみます。
投資先選びの新基準?「水の使用量を減らした会社」の株価が好調な理由
環境問題と株価:第3弾
近年、「食料不足」と並んで、将来に向けた世界的な大きな懸念の1つとされているのが「水不足」です。社会科学の分野には「仮想水」という考え方があります。その国が輸入している農畜産物や工業製品を、国内で生産するとした場合に必要な水のことです。実は、日本ではこの仮想水の輸入がとても多い国です。それもそのはず、食料の多くを輸入しているからです。となると、「世界的な水不足 → 農産物が十分に供給できない → 日本の農産物の輸入ができなくなる → 日本の食糧不足」ということが心配されます。将来に向けて、私たちも水資源を大切にしていかなければなりません。こうした姿勢は企業にもみられます。環境への配慮から「水使用の削減」を目標にする企業があります。排水を浄化して再利用したり、雨水を利用することなどで効率的に水を利用しようとの試みがなされています。このような環境に対する企業の姿勢は、株式投資においてとても重要な観点です。いったいどういうことなのか、水使用の削減と株価との関係について考えてみたいと思います。
ゴミ排出量を削減した企業の株価が好調である“納得の理由”
環境問題と株価:第2弾
大型台風による甚大な被害が毎年のように起こるようになってしまいました。海水の温度が上昇したことで、強大な台風が発生しやすくなったともいわれます。地球温暖化をストップするための努力が待ったなしの状況です。地球温暖化の原因の多くは、人間が活動することにより排出される温室効果ガスの増加です。そして近年、温室効果ガスの削減に向けた企業の努力が期待されています。9月27日の連載では、温室効果ガスの削減をした企業の株価は上昇することを紹介しました。温室効果ガスの削減は地球温暖化対策の国際的な取り決めもあり、「2030年度は2005 年度比で25.4%の削減」という日本政府の目標があります。この目標に整合して活動できる企業は長期的に収益面でも余裕があり、それが株高につながるということは理解できます。そこで今回は、環境と企業の姿勢に関して、もう少し掘り下げて考えてみたいと思います。少し言い過ぎかもしれませんが、より企業が自主的に環境について考えているかという観点でいえば、たとえば「会社が排出するゴミの削減」が挙げられます。
ダンスが流行ると株価も踊る?「ダンス注目度」から日経平均の先行きを探る
「スポーツの秋」に考えてみた
10月14日は「体育の日」です。来年から「スポーツの日」と呼び方が変わるので、実は今年が最後の「体育の日」でもあります。10月も中旬になると「秋の長雨」の時期も終わり、カラッと晴れて気持ちが良い「スポーツの秋」の到来です。今年はラグビーワールドカップで日本代表が活躍しているので、例年以上に「運動を始めてみようかな」と思う人も多いのではないでしょうか。いきなりラグビーは難しいかもしれませんが、「気持ちが良い陽気の中で軽くジョギングでも」とか「会社帰りにジムを始めようか」と思う人もいるでしょう。あるいは、この際、ゴルフやテニスとか、マラソンとか、本格的にスポーツを始めようと思うかもしれません。今回は、人気スポーツの1つである「ダンス」を取り上げてみます。実は、ダンスと株価の間には意外な関係があるのです。
国連・気候行動サミットでも注目、「温室効果ガス」の排出を減らした会社の株価の行方
環境問題と株価:第1弾
9月に行われた内閣改造で、環境大臣として初入閣を果たした小泉進次郎氏。その小泉大臣も出席した国連の気候行動サミットで大きな注目を集めたのが、スウェーデンの16歳の環境活動家、グレタ・トゥンベリさんでした。若者を代表して演説した彼女は「私たちを裏切る道を選べば許さない」と、強い口調で地球温暖化対策を訴えました。実際のところ、自然災害による甚大な被害が世界的にも深刻になっています。この大きな原因とされているのが地球温暖化です。海水の温度が上昇したことで、強大な台風が発生しやすくなったという分析もあります。こうした流れは、金融市場でも関心が高まりつつあります。近年の株式市場では、環境問題に関して意識が高い企業の株式パフォーマンスが好調である、とみる投資家が少なくありません。そして、まずは企業側の姿勢を測る第一歩として、環境情報を開示する企業の株価が高くなるとの見方もあります。
社外取締役が多ければ良いわけじゃない?会社法改正と株価の盲点
株価に効くコーポレートガバナンス
10月上旬から予定されている臨時国会の最大の焦点といえば、憲法改正の議論とみられます。しかし実は、それ以外にも企業や株式市場、投資家にとって、とても重要な法案が審議されます。会社法の一部改正です。この改正法案は、上場企業などに対して社外取締役の選任を義務化する、というものになります。そこで今回は、社外取締役と株価パフォーマンスとの関係を紹介しましょう。
「女性活躍企業は株価パフォーマンスが良い」は本当か
女性役員比率と株価の関係
政府が行ったさまざまな調査では、「女性が活躍する企業は業績や株価パフォーマンスが良い」という結果が示されています。たとえば、内閣府の「女性の活躍状況の資本市場における見える化に関する検討会」の資料では、米国企業を対象とした分析を紹介して、「女性役員比率が高い企業の方が利益率が高い」と説明しています。経済産業省も「やや古くから女性が活躍している企業の業績が良い」という報告をしています。2003年の男女共同参画研究会の報告では、女性が活躍できる企業は固定観念にとらわれない社風、仕事の実績を正当に評価できるような人事の仕組みがあるから、それが結局は企業の成長につながる、とあります。仕事の成果が上がっても性別などで偏った評価が行われるなど、正当な評価ができない会社では従業員の“やる気”も下がってしまいます。女性が活躍できる企業は、公平で妥当な評価ができるような企業風土があることの表れ、と説明されています。そう考えると、確かに女性が活躍できているような企業は業績も良く、株価も上がると期待されます。学術の世界では、これを「企業固有風土仮説」と呼ぶようです。そこで、今回は「女性役員比率」を使って、株
スポーツを「観る」or「する」、どちらの数が伸びると株高に?
ビッグイベントが目白押し
オリンピック、サッカーワールドカップ(W杯)と並んで世界3大スポーツイベントに位置づけられるラグビーW杯。その2019日本大会の開幕が1ヵ月後に迫りました。ラグビーは球技の中では異質で、タックルなど積極的なコンタクトが許されています。観ていると迫力がありエキサイティングですが、野球やサッカーとは違って小学生がそのままのルールでゲームを楽しむケースは多くありません。ですので、普段は「国民に広く人気」とまではいかないようです。とはいえ、前回の2015年イングランド大会を思い出してみてください。初戦で五郎丸歩選手の活躍もあり伝統的なラグビー大国である南アフリカに勝利したことで、国民の期待が大いに高まりました。スター選手が現れたり、試合に勝つと国民の人気が盛り上がります。これまでさまざまなスポーツで日本開催の時に日本代表が活躍してきた歴史を振り返ると、今回のW杯も大いに期待できるでしょう。そこで本稿では、こうしたスポーツを観るために支出するお金と株価の関係を検証してみます。
カレーvsハンバーグ、夏休み人気メニューを投資に活かすには?
どうなると株高になりやすいか
夏休みシーズン真っ只中。旅行に出かける人も多いでしょうが、お盆期間中はどこも混んでいるし、ゆっくり自宅で休みを過ごす人も少なくないはず。とはいえ、学校も休みの時期になるため、お子さんがいる家庭では「昼ご飯の準備も毎日大変」となりかねません。こんな時期の人気メニューといえば、カレーライスです。このカレーライス、株価と深いつながりがあるのです。実は以前、カレーライスと株価の関係を調べたことがあります。その結果は「カレーライスを食べる人が多いと、株価が高い」というものでした。景気が良いと、仕事が忙しくて料理をする時間もなかったり、レジャーや習い事などさまざまなことに時間を使うなど、金銭・気持ちの両面で余裕が出るため、家庭で作り置きできるカレーが人気になるというのが、その理由でした。しかし今回、もう少し視点を変えて分析してみると、まったく別の結果が見えてきました。
夏のカフェ利用が増えると株で儲かりやすいって本当?
喫茶代と株価の関係
1年で一番気温の高い8月がやってきます。外出時、暑さのためにちょっと一服と思うと、カフェや喫茶店でアイスコーヒーを飲みたくなる人も増える時期です。実は、この喫茶代。将来の株価と関係が強いのです。「それはそうだろう。カフェに入るにもお金がかかることだし、景気が悪くて懐具合が悪ければ、喫茶店に行くのをためらう人も多くなる」と考える方も多いでしょう。まさにその通りなのです。この話のさらに面白いところは、実はこれが将来の株価とも関係があることです。今回は「7月の喫茶代が増えると、8月の株価が高い」について解説したいと思います。
「アイスが売れる夏は株価が高い」には2つの理由があった
今年の夏はどうなる?
関東地方の例年の梅雨明けは7月21日頃。もう少し雨のシーズンは続きそうです。とはいえ、7月は夏本番に向け、気温も少しずつ高くなっていきます。暑くなってくると食べたくなるのが、アイスクリームやシャーベット。午後のおやつにアイスが食べたくなったり、夕食後にシャーベットを食べる人も増えてきます。ところで、このアイス。景気や株価と意外な関係があるようです。今回は「アイスを食べる人が多い夏は株価が上がるメカニズム」を解説したいと思います。
夏野菜の代名詞「トマト」が売れると株価も上がるワケ
今年は夏バテ相場になる?ならない?
各地で梅雨入りとなり、本格的な雨のシーズンです。天気と同じように憂鬱な気分になったり、体がだるくなったりする方も少なくないでしょう。梅雨の時期は、体温を上手にコントロールできなくなり、自律神経のバランスが崩れたりします。このため、気分が憂鬱になるだけでなく、頭痛になる方もいるようです。こうした症状は「梅雨バテ」と言われます。そのまま、夏本番を迎えると 「夏バテ」にもなり、つらい夏になってしまいます。梅雨バテ対策といえば、十分な睡眠で疲れを取ることですが、やはり食事も大切。特に、ビタミンやミネラルが豊富な夏野菜をおいしく食べることも対策の1つです。今は温室栽培も多いため、1年中、いろいろな野菜を食べることができます。しかし、夏に収穫を迎えるきゅうり、なす、トマトなどの夏野菜も、冬などの旬でない時期に収穫されたものに比べ、ビタミンなど栄養価が大きく違うようです。そんな夏野菜の代表といえば、トマト。この時期、冷やしたトマトをそのまま食べても、とてもおいしく感じられます。そこで今回は、このトマトと株価について考えてみましょう。
株の定説「ビールが売れると株価が上がる」を検証してみた
お中元やお歳暮の影響を排除すると…
記録的な暑さとなっています。5月26日に茨城県大子町で気温35.4度を観測。令和元年に関東で最初に気温35度を超える“猛暑日”を記録しました。昨年、関東で初めて猛暑日となったのが6月25日だったので、1ヵ月早い観測です。また、全国的に5月の観測史上の最高気温を更新する場所も相次いだようです。こう暑いと、会社帰りに一杯、ご自宅で夕食の時に一杯と、ビール党でなくても、冷えたビールが飲みたくなる方も多くなるでしょう。5月24日に気象庁から発表された「向こう3か月の天候の見通し」では、6月は東・西日本で平年に比べて曇りや雨の日が少なく、平均気温は「高い」と見込んでいます。今後もこの暑さが続けば、ビールの売れ行きも期待されます。株式市場では、ビール会社の株価上昇が期待されます。今回はこのビールについて、別の視点から株式市場との関係をお話ししましょう。結論をお話しすると、「ビールが売れると株価が高い」ということです。
今年は株高の年?「クリーニング代と株価」の意外な相関関係
景気が良いと洗濯を外注する人は多いのか
5月6日の立夏を迎えると、暦の上ではもう夏。毎年立夏を過ぎると、陽射しも強くなって、初夏の匂いを感じます。6月になると梅雨入りで空が雲に覆われがちになってしまいますが、あと1ヵ月はカラッとしていて空気も澄んで清々しい季節です。肌寒い日が遠ざかると、衣替えの季節になります。この時期に冬物のコートなどをクリーニングに持っていく方も多いでしょう。総務省統計局の家計調査では、クリーニングなどの洗濯代について、1世帯当たりの月別支出金額が公表されています。5月を過去10年間で平均すると985円となりました。これは他の月に比べて最も多いです。次が4月の965円。ゴールデンウィークにかけて夏モノに衣替えする家庭も少なくないようです。そして、第3位が6月の745円です。一方、10月や11月は冬モノへの衣替えで、夏モノのクリーニングも少なくないようですが、やはり冬モノのほうがコートやアウターなどになるため、費用がかさむようです。そして、このクリーニングなどの洗濯代。皆さんの生活にも密着したものですから、やはり景気や株価と深いつながりがあるようです。
紙幣刷新は“中長期で”日経平均にポジティブに働くのか
過去3回を検証してみた
4月9日、政府は新しい紙幣と500円貨幣を発行することを発表しました。1万円、5,000円、1,000円の紙幣は2024年度上期をメドに発行。500円玉は2021年度上期がメドとされています。今回の紙幣刷新、実際にはどの程度、心理的に株式市場にポジティブな影響を与えるのでしょうか。発表当日の日経平均株価は上昇しましたが、今後もこうした傾向は続くのでしょうか。平成に入って行われた紙幣・貨幣の刷新の発表とその後の日経平均の動きから、考察してみました。
女性が輝く「なでしこ銘柄」、株価の動きもキラキラなのか
最新42社のパフォーマンスを分析
経済産業省と東京証券取引所は3月22日、2019年度の「なでしこ銘柄」を発表しました。2012年度に始まってから7回目となる今回は、42社が選ばれました。このなでしこ銘柄について、経産省は「女性活躍推進に優れた企業」としています。一言でいえば、「女性が活躍しやすい企業」のことです。近年、女性の活躍は企業のイメージアップの面でも重要です。なでしこ銘柄に選ばれると、企業は自社のウェブサイトを通じて、広く一般の方への周知を目指したりします。女性の活躍はアベノミクスが目指す成長戦略の中核になることから、投資家も株式市場のテーマの1つとして注目しています。経産省のウェブサイトには、なでしこ銘柄を決める目的は「投資家にとって魅力ある銘柄として紹介することを通じて、企業への投資を促進」することと書かれています。こうした趣旨からも、なでしこ銘柄は株式投資と深い関係があります。今回は、なでしこ銘柄と株価の関係について考えてみます。
「健康経営銘柄」は株価も“健康的”に上がるのか
流行のキーワードを投資に生かす
経済産業省と東京証券取引所が2月21日に公表した「健康経営銘柄2019」。これで5回目となる今回は、28業種から37社が選ばれました。この「健康経営」という言葉、最近では会社の経営や企業の評価をする時に注目されるようになってきたのですが、実は株式投資とも深い関係があるのです。今回は、健康経営と株価の関係について考えてみたいと思います。