はじめに

iDeCoは運用しないと損!

もう一つ問題だなと思うのがせっかくiDeCoをやっているのに元本確保型を選び、運用商品を選んでいない人が多くいることです。2019年のデータですが資産額における運用商品選択情報の資料で、半数以上は元本保障型を選択しているとのこと。

ちなみに、個人型確定拠出年金を運用するのはタダではありません。

どの金融機関でiDeCo口座を開設した場合でも、別途、国民年金基金連合会へ支払う加入時手数料が2,829円、国民年金基金連合会と信託銀行へ支払う手数料が合計171円(毎月)かかります。また、受取時は給付手数料440円(1回毎)を信託銀行に支払わなくてはなりません。そして還付時には国民年金基金連合会と信託銀行への還付時手数料として合計1,488円(1回毎)がかかってきます。運営機関変更時の手数料は「別の金融機関から」変更の場合で、「別の金融機関に」変更する場合は4,400円の手数料が発生する場合があります。さらに選んだ投資信託の信託報酬がかかってくるのです。

「え、手数料かかるんですか?タダって書いてあるのに……」

SBI証券や楽天証券、マネックス証券、その他多くのネット系の証券会社は手数料タダと書いていますので、「証券会社は手数料をとらない」という意味では本当です。信託報酬以外の手数料がかからないと思っている方が多いのですがそこは違います。少なくとも毎月171円の手数料が発生しています。

つまり、元金保障だから大丈夫と思っていても、じつはどんどんマイナス方向にお金は減っているのです。

どんな人は損をする?

もちろん、所得控除や住民税の控除によってこのマイナス分ぐらいはチャラになりますが、もったいないなと思うのは、専業主婦の方で元金保障の商品を選んででiDeCoをやっている場合です。「なんだかお得らしい、主婦もできるようになったらしい」となんとなく惑わされている人がいます。収入がないので税金の還付もなく、元金保障の商品を選んで、手数料だけ引かれるという残念な結果になってしまっているのです。。しかし元本確で保型の商品が全く使えないわけではありません。50代の後半や60代にはいっても確定拠出年金で運用を行っている場合は、リスクを小さくおさえたくなるはずです。その場合は、一部を元金確保型に切り替えることができます。

どう運用すればいいのか

確定拠出年金は運用益も非課税という恩恵があります。長期で引き出すことができないという制限を逆手に、長期投資を成功させられる制度になっています。リスクをとってグローバル分散しながら株式系の運用商品中心にポートフォリオをくまれると良いと思います。利用する金融機関によっても購入できる投資信託は変わりますので、具体的な商品名はお伝えしませんが、20代から40代の方は、株式型のファンドを中心に、国内株式インデックスファンド、先進国株式インデックスファンド、新興国株式のインデックスファンドをバランス良く選択するとよいでしょう。

長期での投資には債券はあまり向きません。強制的に長くもつこができ、複利の力を考えると株式を中心にバランスをとるのが理想です。60歳近くになり、そろそろ、価格変動のリスクを抑えたいということになれば、先程の元金保障の商品や債券もふくめていくとよいでしょう。確定拠出年金の大きなメリットとして、スイッチングができることがあげられます。スイッチングは、ポートフォリオの配分を組み替えることができるので、リスクを抑えていきたいとか、もっとリスクを取っていきたいという時に活用できます。

[PR]NISAやiDeCoの次は何やる?お金の専門家が教える、今実践すべきマネー対策をご紹介