はじめに

共働き夫婦の貯蓄は「可視化」「自動化」がポイント

ライフイベントのための必要貯蓄額が見えてきたところで、共働き夫婦の貯蓄方法についてお話をしていきます。

夫婦別財布にしている共働き夫婦が、新たに夫婦共通の貯蓄を作る場合には、「可視化」と「自動化」が重要になります。給与口座から自動引き落としで積み立てする仕組みを作りましょう。

最も手軽なのが、給与振込口座のある銀行等で「自動積立定期預金」を申し込む方法です。一度申し込みを済ませれば、毎月確実にお金を貯めることができます。勤務先に財形貯蓄や社内預金の制度がある場合には、そうした制度を利用してもいいでしょう。

「給与口座だと可視化しにくい」「見せるのに抵抗がある」という場合には、証券口座を開いてつみたてNISAに申込み、投資信託で貯めていくという方法もあります。給与振込口座と切り離せるため、給与口座を見せたくない人にも使いやすいでしょう。

夫婦共通のライフイベント貯蓄は、ストレスなく貯められて、お互いがいつでも見られるようにしておくことが重要になります。資金の目的と、お互いの性格や状況にあった方法で仕組みを作っていきましょう。

生活費は2万円ずつ上乗せを

最後に、生活費についても触れておきます。現在、生活費を10万円ずつ出し合っているようですが、毎月足りない分を月末に追加徴収して精算するのは、あまりスマートではありません。今後は、お互い12万円ずつ出し合うようにして、現在の生活費予算を24万円に増やしてはいかがでしょうか。

一見、お互いの負担が増えますが、生産の手間がいらなくなりますし、お金が余ればそのまま生活費口座にプールしておき、旅行や記念日のお祝いなどに使うとよいでしょう。

今回の見直しでは、将来のための積み立てを始めることと、生活費負担を増やすことをご提案しました。毎月、お互いが自由に使える予算は大きく減少しますが、夫婦のお金と個人のお金をはっきりと区分けしやすくなります。夫婦の未来のお金も可視化できるようになり、生活設計が立てやすくなるでしょう。

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