はじめに

高齢者の医療費自己負担額はどのくらい?

さて、現役世代は、ほんの少し負担が減ることになるのですが、問題は後期高齢者です。医療費の負担が増えることになるので、医療保険で備えた方がいいかなと心配される方も多いでしょう。

ですが、結論からいうと、わざわざ医療保険で備える必要はありません。

その理由を高齢者の自己負担額から考えていきましょう。下記の図を参照にしてください。

年齢階級別1人あたり医療費、自己負担額及び保険料の比較(年額)

これは、厚生労働省のデータで「年齢階級別の1人当たり医療費と自己負担額」(年額)を表したものです。

あくまでも平均額ですので、すべてに当てはまるわけではありませんが、目安になります。

75歳の自己負担額は年間約7万円

まず、現状の1割負担の人を考えてみたいと思います。

75歳以降の自己負担額の平均を見るとだいたい6.4〜8.5万円の間です。

一方、医療保険の保険料を試算してみると、60歳では月額約4,600円(年額5万5,200円)、65歳では月額約5,600円(年額6万7,200円)になります。

60歳以降に加入する医療保険は、終身払いの終身というのがほとんどです。60歳から80歳の20年間の保険料総額は、約110万円になります。1割負担の平均自己負担額は年間10万円弱です。保険料の総額から考えると、貯蓄しておいた方が合理的ではありませんか?

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