はじめに

貯め方(2)残り100万円を貯めるなら変額保険という手も

ひと昔前は、「子どもが生まれたら学資保険」が当たり前でした。しかし、金利の低下により保険会社の予定利率が下がり学資保険の多くが元本割れしてしまうようです。元本割れしなくても微増程度。親に万一のことがあった時に死亡保険金が給付されるので、学費積み立て半ばであっても保険金を学費に充てられるメリットはありますが、FPとしてはあえて学資保険を選ぶメリットは感じません。

私が注目しているのは「変額保険」です。こちらは「変額」という名前の通り、死亡保障や解約金が変動する保険です。

死亡保障は契約時に設定した保険金額に最低保証があります。そのうえ、運用成果により多い金額で保険金を受け取れることもあります。いっぽう、解約金は選択した特別勘定の型(世界株式型、日本株型、世界債券型などから自由に組み合わせる)での運用により変動します。

単純な貯金や投資であれば、積み立ての途中親に万一のことがあっても、その時までの積み立て実額や運用結果の金額が学費として使える額になります。しかし、「変額保険」は加入してすぐ万一のことがあって保険料を数カ月しか支払っていなくても、契約した時に設定した保険金額が支払われるメリットがあります。また、保険料から諸費用を差し引いた金額が運用されるので投資と保険の2つの目的で利用できるのです。

例えば、ソニー生命で20年有期の変額保険で30歳男性、保険金額140万円の場合、月払い保険料は5,141円になります。18年後の保険料総額は111万6,936円に対し3%で運用できた場合の解約返戻金は121万8,000円で返戻率109%です。この保険期間中、契約者に万一のことがあれば最低140万円の死亡保障がありますし、生命保険料控除も受けることができます。

デメリットとしては、保障への経費や短期間での解約(10年未満の保険会社が多い)の場合、解約控除費用が解約金から差し引かれることです。保険の規約は商品によって条件が変わるのできちんとチェックしておきましょう。

前述の300万円が目標であれば、15歳まで児童手当で約198万円、残りは子どもが生まれてすぐ親を被保険者とする変額保険に加入し、18歳時点で100万円強になる積立運用をするといいでしょう。

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