元銀行アナリストは「仮想通貨」の現状をどう見ているか
個人投資家はどう向き合うべき?
最近、暗号資産(以下、仮想通貨)が再び脚光を浴びています。代表的な仮想通貨であるビットコインの価格がこの数ヵ月の間に大きく上昇しましたし(直近は一時下落)、米フェイスブックが新たなデジタル通貨「リブラ」の事業計画を発表して、各国の政府や中央銀行の今後の対応も注目されています。今回は、すでに取引されているビットコインなどの代表的な仮想通貨について、そもそも金融商品としてどう評価すべきか、長くアナリストとして銀行業界を分析してきた経験を踏まえて、考えてみたいと思います。
仮想通貨はそもそもどんな仕組み?仮想通貨のキホンと今後の動向
みずほ銀行など続々と開発が進む仮想通貨
「仮想通貨」と聞いて何を思い浮かべますか?「技術はすごそうだけれど危ないもの」となっている人も多いかもしれません。ただ、投機として見られることが多い仮想通貨ですが、それはほんの一面です。仮想通貨やブロックチェーンやスマートコントラクトなどのシステムは、決済や送金面を含め、新しい時代を創っていくものだと筆者は考えています。先日、アメリカ最大のスーパーマーケット持ち株会社である Kroger社 は、2019年4月3日をもって、スーパーマーケットチェーン Smith’s社 におけるVisaカード決済の利用を停止することを発表しました。理由は手数料が高いからとのこと。代わりに「ビットコインのライトニングネットワーク※」の導入を検討しているようです。※ライトニングネットワークとは、決済・送金スピードを劇的に高める技術今回は、改めて、ビットコインを始めとする仮想通貨とはそもそもどんな仕組みなのか、仮想通貨はどのように広まっていくのかなどを一緒に見ていければと思います。
人間をお金から解放するためにできること
eumo・新井和宏さんのお金の定義(後編)
独自の仮想通貨によって一つの経済圏を作り、人をお金から解放する――――。そう語るのは、昨年仮想通貨を通じてソーシャル・ベンチャーを支援する投資事業会社「eumo」を設立したばかりの新井和宏さん(前・鎌倉投信ファンドマネジャー)。とはいえ、仮想通貨を使うことに本当に問題点はないのか? と思う人も多いのではないでしょうか。「仮想通貨を気持ち悪いと思ってしまう理由」や「地域通貨がなぜ成功しないのか?」……前編に引き続き、“お金の本質”ついて、さらに詳細をお聞きします。
お金に善悪はない。でも、違和感がつきまとう理由
eumo・新井和宏さんのお金の定義(前編)
新井和宏さんは、鎌倉投信の創業者かつ運用責任者(ファンドマネジャー)としてよく知られてきました。鎌倉投信といえば、利益偏重と言われがちな金融業界で企業の社会性を重視。独自の基準で選んだ “いい会社”に投資する姿勢で多くの支持を得ています。しかし、新井さんは、このほど同社を退社。新たに投資事業会社「eumo(ユーモ)」を設立しました。eumoでは仮想通貨技術を通じたコミュニティー通貨の普及推進や社会問題に取り組むベンチャー企業(ソーシャル・ベンチャー)を支援するとのこと。新井さんのeumoにおける“新しい金融構想”から、「そもそもお金とは?」「仮想通貨はなぜ気持ち悪い?」「未来のお金はどうなる?」といったお金の疑問や定義について金融マンとしての考えを伺いました。
銀行不要論にNO!“投資のプロ”が「三菱UFJ株」を推す理由
極端に売り込むのは過剰反応だ
昨年末の急落から、緩やかではあるものの持ち直し基調にある日本株市場。しかし、そんな状況下でも、銀行株の多くは値下がりが続いています。銀行業の未来に関して、暗い話が増えているからです。一番の問題は、低金利が長期化する中で預貸金利ザヤ(貸付金利と預金金利の差)の低下が止まらないことです。金融庁が2018年9月に出した「金融レポート」によると、地方銀行の約半数(54行)が低金利に追い詰められ、本業である貸出・手数料ビジネスが赤字に陥っています。今のような低金利が続くと、本業が赤字の銀行の数は年々増えていくことになります。筆者は、持続可能な収益を稼いでいくメドの立たない地方銀行株には投資すべきでない、と考えています。ただし、すべての銀行株が投資に値しないわけでもありません。過去にファンドマネージャーを25年間務めた筆者が今、積極的に投資していって良いと考えているのは、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)です。
マネックスはコインチェックをどう処遇するのか
松本社長が日本事業“改造”宣言
ネット証券大手のマネックスグループが12月12日に開催した事業戦略説明会。グループの忘年会のために米国子会社の社長が来日するのに合わせて開いたというその席で、幹部から何度も口に出た言葉が「仮想通貨」「クリプトアセット(暗号資産)」でした。今年1月に仮想通貨NEMの不正流出事件を起こし、金融庁から業務改善命令を受けた大手仮想通貨取引業者「コインチェック」。その同社を4月に買収したのが、マネックスでした(参考記事「完全詳報!マネックス『コインチェック買収』会見全容」)。「クリプトにはトレーディングに加えて、決済から新しい資産クラス、ペイメント、記録技術と、大きなビジネスチャンスがある。収益的にも大いに期待できます」と鼻息荒く語る、マネックスグループの松本大社長。いったい、どんな事業ビジョンを描いているのでしょうか。
日経平均急落!新興市場のリバウンドは今が狙いどき?
個人投資家に話題のテーマを探せ
10月11日の株式市場は、米国市場の急落を受けて日経平均株価も大きく値を崩しています。これまで米中間の貿易紛争への懸念はあったものの、好調な米国経済への影響は限られるとの見方から、米国市場ではハイテク株を中心に値上がりが続いていました。しかしながら、好調な米国景気の影響で米国の長期金利が上昇に転じたことから、ハイテク株に対しても売りが強まり、日本の株式市場も大きく下落する動きとなっています。このような相場の中、個人投資家はどのような投資戦略をとればよいのでしょうか。
31歳男性、手取り月18万「結婚のために貯金を増やしたい」
FPの家計相談シリーズ
読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回はマネーフォワードから生まれたお金の相談窓口『mirai talk』のFPがお答えします。クレジットカードで買い物をすることが多いためか、年間では貯蓄できているのですが、月でみると毎月赤字です。35歳までには結婚したいと考えているので、貯金を増やしたいです。どうしたらよいでしょうか。〈相談者プロフィール〉・男性、31歳、独身・職業:会社員・手取り月収:18万円・手取り年間ボーナス:100万円・預貯金:20万円・財形貯蓄:80万円・資産運用:仮想通貨30万円【家計の内訳(25万円)】・住宅費:9万円(賃貸)・保険:0.5万円(掛け捨ての医療保障)・通信費:1万円(携帯)・食費:4万円(外食含む)・水道光熱費:0.7万円・日用品:0.3万円・趣味・娯楽費:2万円(映画や趣味の自転車代)・衣服・美容費:2万円・健康・医療費:0.5万円 ・交際費:4万円・その他:1万円
金融庁が仮想通貨業者の「検査とりまとめ」を公表した意味
ターゲットは新規登録申請業者?
金融庁が8月10日に公表した「仮想通貨交換業者等の検査・モニタリング 中間とりまとめ」。同庁が2月以降、みなし業者16社、登録業者7社に対して実施してきた立ち入り検査において把握した実態や問題点を取りまとめたものです。ただ、その内容は本サイトで何度も報じてきた既出の内容がほとんど。金融庁が今、このタイミングで中間とりまとめを公表した狙いは、どこにあるのでしょうか。
「最強のスプレッド」、動き出したSBI仮想通貨取引所の奔流
北尾社長は何を語る?
「この圧倒的なスプレッド、最強のものになっています。こうなると、よそは儲からなくなりますよ。新規参入を止めるところが続出すると思います。金融庁も審査の手間が省けていいんじゃないですか」7月31日、SBIホールディングス(HD)の2018年度第1四半期(4~6月期)の決算説明会が開かれました。ネット証券・ネット銀行の最大手として圧倒的な顧客基盤をもつ同社。昨今は仮想通貨交換業の大本命として、北尾吉孝社長の一言一句に注目が集まっています。前回4月の決算説明会で「夏頃に結論を出す」としていたSBI取引所の開始ですが、宣言通り6月にサービスを開始しました。これまでの進捗はどうなっているのでしょうか。
最大手も「クロ判定」、仮想通貨業者の“重い十字架”
登録6社に業務改善命令
「いわゆる反社取引に関して言えば、bitFlyer(ビットフライヤー)は真っ黒だ」。ある金融庁幹部は、こう漏らしました。6月22日、金融庁は仮想通貨交換業の登録業者6社に対して、改正資金決済法に基づく業務改善命令を出しました。立ち入り検査の結果、内部管理態勢やマネーロンダリング(資金洗浄)対策に不備があったとして、各社に7月23日までに業務改善計画を提出するよう求めています。これまで問題とされてきた「みなし登録業者」ではなく、金融庁の審査を通った「登録業者」に対する一斉行政処分。その中には、業界最大手といわれるbitFlyerも含まれていました。金融庁は、一度はお墨付きを与えた仮想通貨交換業者のどこに問題があると指摘したのでしょうか。
ブロックチェーンをフルーツに?奇想天外計画の狙い
使い道は仮想通貨だけじゃない
「ブロックチェーン」と聞くと、ビットコインなどの仮想通貨を連想する人は多いのではないでしょうか。仮想通貨の信頼性を担保しているとされるのが、この新技術です。そんなブロックチェーンを、フルーツに取り入れようという取り組みが出てきています。いったい誰が何のために動いているのでしょうか。
「仮想通貨投資をやりたい」初心者はいくらから始めればいい?
FPの家計相談シリーズ
読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回は横山光昭氏がお答えします。昨年流行っていた仮想通貨への投資を、遅ればせながら始めてみたいと思っています。かなり儲けている人がいて、“億り人”も多く出たということですから、とても期待しています。自分もたくさん儲けられるようになりたいです。ただ、投資は初心者で、本当に仮想通貨を始めても大丈夫なのだろうかという不安も少しあります。仮想通貨に投資をしていく場合、何をどう勉強していけばよいでしょうか。また、お金に困らないように仮想通貨への投資額の目安などがあれば教えてください。〈相談者プロフィール〉・36歳、独身・手取りの世帯月収:28.6万円・毎月の貯金額:4万円・貯蓄総額:170万円
ザッカーバーグが載ってない!?広辞苑「人名」掲載基準の謎
お金のことば24:広辞苑・第七版(後編)
『広辞苑 第七版』(2018年1月発売開始)で新たに登場した経済ワードを紹介する記事の後編です。前編では、投資の言葉(外国為替証拠金取引)、経済史の言葉(サブプライムローン)、CSRの言葉(三方良し)を紹介しましたが、この他にどんな経済ワードが新登場したのでしょうか?
「ブロックチェーン・ウィーク」に見る仮想通貨の今後
昨年はイベント前後で価格が急騰
5月14日から16日にかけて、仮想通貨の情報サイト「CoinDesk」が運営する年次イベントがニューヨークで開催されました。「ブロックチェーン・ウィーク」とも呼ばれ、全体では昨年の2倍強の8,500人もの投資家や個人が参加しました。勢いづいたCoinDesk は、さらに9月にシンガポールでも初めてのフォーラムを開催すると発表しました。同イベントでは、金融当局者の講演や、技術系の若手実力者と金融関係者によるデジタル決済の将来に関する討論など、143のセッションが行われました。開催場所のニューヨークヒルトンホテルの周辺では、高級車のランボルギーニがプロモーションとして車を走らせたことも話題になりました。
ついに動く仮想通貨の“本命”、「SBI取引所」の盤石構想
今夏にも最終結論
4月26日に開かれた、ネット証券国内最大手、SBIホールディングス(HD)の2017年度決算説明会。普段は同社の決算説明会には顔を出さない全国紙やテレビ局まで取材に詰めかけ、用意された席数は従来を大きく上回るものとなりました。彼らのお目当ては、前回の説明会でグループの総帥、北尾吉孝SBIHD社長が語った「コインチェックはカス中のカス」に並ぶような衝撃発言を拾うことだったと思われます。北尾社長が仮想通貨に関する発言をするたび、会場にはパソコンのキーボードを叩く音が響き渡りました。しかし、今回の会見で北尾社長の口から出てきた計画は、その期待を大きく超えるものでした。仮想通貨交換業の“大本命”がついに動き出す――。静観を続けていたSBIHDが今年夏をメドに、仮想通貨取引所の本格的な開始日について最終的な結論を出すというのです。
モーニングスター、メディアでも稼ぐ「タコ足戦略」の貪欲
2ケタ増益は8年連続でストップ
会社設立から今年3月でちょうど20周年を迎えたモーニングスター。投資信託に関する情報サービスの会社として、日本国内でも確固たる地位を築いてきました。会社の業績も、本業の儲けを示す営業利益が2017年度まで9年連続で増益を達成。2018年度も10年連続の増益を狙っています。それでも、同社の朝倉智也社長の表情は冴えません。理由は、9年連続増益のうち8年間は2ケタ増益だったものが、前年度は1ケタ増益にとどまったからです。一方で、勢いを取り戻すための策も着々と手を打っているようです。足元の勢い鈍化にはどんな背景があり、そこからどうやって巻き返すのか。4月20日に開かれた決算説明会の内容から、分析してみます。
将来の子供の教育費、投資信託で用意するのはアリ?
FPの家計相談シリーズ
読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回は花輪陽子氏がお答えします。20代半ばのDINKSです。30歳までには子供を1人、ゆくゆくは2人か3人欲しいと思っています。これから子供を産むにあたり、どのように資産運用をしていけばよいのか悩んでいます。仕事は子供が生まれても続ける予定です(私は在宅可能な仕事です)。現段階で、すぐに使うお金は100万円程度残しておきたいのですが、しばらく使わない(おそらく子供が私立高校、大学に行くまでは使わないであろう)お金をどうやって管理していくのがベストなのでしょうか。現状、私が「手取り20万円+ボーナス年間120万円」、主人が「手取り23万円+ボーナス年間60万円ほど」です。福利厚生として、家賃の半分を会社が負担しています。毎月、約23万円を生活費に充てています。内訳は以下の通りです。<内訳>・家賃(通常16万円):8万円・水道光熱費:1.2万円・食費:3万円・携帯電話2台:0.5万円・ガソリン代:1.5万円・お小遣い:3.5万円×2人・ジム:0.9万円×2人合計: